『Lie:verse Liars』ボイスドラマ16話「妃泉真白と灰空瑠宇の密会」

ひマとハイドラルーの密 回ほぼ貸し切り状態の喫茶店入口から見え ない仕切りの奥にあるテーブル席に座り 小説を読んでいたマは誰かがやってきた ことに気がつい たページをめくり顔もあげ ないその誰かはガラガラの店内におい てのすぐ隣のテーブル席にやってくると真 の隣に並ぶようにして腰を下ろし たすぐにやってきた店員に彼はいつもの ようにコーヒーを注文するほどなくして 運ばれてきたコーヒーに口をつけたところ でふうと息を吐い た今日は随分と遅かったですね 待ちくたびれてしまいまし たいつも遅刻を見逃しているんだから 許してくれてもいい だろ真は小説から顔をあげない隣に座る彼 もスマホをいじりながらこちらを見ない どうでしたか特殊義世界事件はまだ何とも 言えないそうです かその喋り方を聞くとなんだかこばよく なる なあちらの彼女の方がお好みですかいや こちらのあなたの方が好みだ よちらりと隣を見るが彼は変わらずスマホ をいじって いる正直嬉しくありません言い慣れている 感じがして不愉快ですそうかならそういう ことにしておく よもう1度ちらりと見るが彼の視線は動か ないただ楽しそうに笑っている 今の言葉を聞いたらあちらの彼女が起り ますよ俺もそう思うから聞かなかったこと にしておいてくれ考えておき ます再び本に視線を戻した真は自然な処さ で椅子の横に置いてある自分の鞄に手を 伸ばして封筒を取り出すと並ぶようにして 置いてある口の開いた彼のの中にそれを 入れるそれでの取引は終了 だそっちは家で何かあったたいもない 世間話のように彼は聞いてくるだから真は 小説のページをめくりながら口を 開く私の婚約者が決まって今度顔合わせを することになりまし た私の言葉に彼は大きく動揺したそれを ごまかすように彼はコーヒーカップに手を 伸ばしたが彼の手の中でカップはカタカタ と揺れてい たちょうど真が読んでいた恋愛小説にそう 書いてあっ ただが現実は違う えそうなん だ隣に座る彼は気のない返事でカップに手 を 伸ばす当然カップは揺れもしないし置か れる時も静かなものだ この場合おめでとうと言うべき かしかもそんなことまで言う 始末わざわざありがとうございますお相手 は大飯工業社長の次男だそうです顔見知り いいえ名前も存じませんそれはそれは大変 だね両家のお嬢様もあらかじめ分かってい たことですし思うことは特にありませ んそう答えたところで自然を感じ隣を見る 彼が私のことをじっと見てい た何です か私が嘘をついているように見えますか いや嘘をついてないように 見えるあなたに心を盗み見られるのは好き ではありません俺はお嬢様の心を盗み見る のが好きだ けどそう笑った彼から視線を外し真は手に 持った恋愛小説に視線を 戻すなぜ好きなのです かあなたの心が波風立たない住んだ美の ようだ からそんなどこかしぶった彼の言葉に思わ ず口元が 歪む素敵な皮肉ですねお褒いただき光栄に 存じますお嬢 様マホにを向ける彼は珍しく席を立とうと し ない今日は随分と長いをするんですねいつ もなら取引が終わればさっさと帰るはずな の に家に帰りたい気分じゃないだけだ よ彼はそう口にし た少し驚い た珍しく彼が日常を匂わせたからだ の壁にかかった時計で時間を確認 する私はあと13分だけここにいられ ますそうなん だだから あと13分だけここにいようと思い ますすると彼は見ていたスマホを置いて 一言そうかとだけ口にして目を閉じ たにかかった時計が真にここにいていい 時間が終わったことを告げ た読んでいた恋愛小説を閉じて鞄にしまい 席を 立つ隣の席を見れば彼は変わらず目を閉じ た まま眠ってしまったのだろう かなんとなく彼の頭に手を伸ばす まぶを開いた彼と目が合い真は思わず息を 飲むだけど彼はすぐにまぶを 閉じる心なしか口元が笑っているように 見えた見なかったことにしてくれるつもり なのだろうと自分勝手に解釈し てマは彼の頭を1度だけ優しく撫でると すぐにその場を後にし [音楽] た正しいものを疑って心の裏側まで覗いて 本当の本当の声に気がつけたなら答えは いら [音楽] ない100 [音楽]

小説『Lie:verse Liars 俺たちが幸せになるバッドエンドの始め方』第2巻より、第2話のワンシーンをボイスドラマ化!

<朗読>
白雪巴

<出演>
灰空瑠宇(CAST:八代拓)
妃泉真白(CAST:白雪巴)

<原作>
MF文庫J『Lie:verse Liars 俺たちが幸せになるバッドエンドの始め方 2』
著者:鳳乃一真 イラスト:あるてら 原作:Liars Alliance

■Introduction
――それは、嘘と真実が入れ替わった世界。
地方都市・森浜市。
SNSで『神隠し』と揶揄される若者の失踪。    
都市の『裏側』で人知れず増殖する『偽世界』と呼ばれる脅威。
誰もが認知できない終焉に対抗すべく結成された『偽世界対策組織カリバーン』。
偽りの世界へと渡り、戦う事ができるのは『覚醒者』と呼ばれる彼ら彼女らだけ。
どこにでもある都市に生きていた若者たちの平凡な日常は、
覚醒者となった事で終わりを迎える。

■SNS
公式サイト:https://lieverse-liars.jp
Twitter:https://twitter.com/Lieverse_Liars

■ハッシュタグ
#LieverseLiars
#リーバースライアーズ

©Liars Alliance / ANYCOLOR, KADOKAWA, BALCOLONY.

10件のコメント

  1. この2人がこんな雰囲気で時間を一緒に過ごしてるの、絶対他の人は想像できないだろうなぁ😌

  2. 真白“お嬢様”の落ち着いた声が心地よく、この密会の空気感と2人の関係性がより鮮明に知れて良きでした。

  3. 先に小説を読んでいたから、活字と共に頭に入ってきて、冒頭から物語の中に一気に入り込んだ感覚。真白の独白の時のトーンと、瑠宇と話してる時のトーンの違いが何だか分からんが切なく感じる。。。まだまだ真白のことが気になる。